§第二十九段
みなさんは、占いを信じますか。
私は、排卵誘発剤や陣痛促進剤ができてから、生年月日で占う星占いや四柱推命が信じられないし、姓名判断も、モンゴルでわけもわからない文字を見たり、昨今の夫婦別姓制などを考えると、どうも信じられない。風水もうさん臭い気がしている。
しかし、占いとは少し異なるかもしれないが、自分探しである、「エニアグ ラム」という性格判断(鈴木秀子訳『エニアグラム(9つの性格分析)で相手の「性格」が怖いほど見える!』(三笹書房)など)は、結果を出すのに少々時間 を要するが、かなり気に入っている。血液型占いもけっこうおもしろい。竹内久美子著『小さな悪魔の背中の窪み 血液型・病気・恋愛の真実』(新潮社)は、 なんとなく医学的であり、他とは一線を画している。
この占いは、多くの研究データから割り出したもので、「O型は病気全般に強く、A型は弱い。B型、AB型はその中間。O型は楽天的になり、A型は慎重な性格になる…」といったぐあいの内容である。私は、これをブラッシング指導に取り入れている。なかなか好評なのでご紹介しよう。
たとえばO型の患者さんが磨き残しをした場合。O型は細かいところに気がつかないのが短所などは考えず、「おおらかな性格が災いして、歯頸部や隣接面の大切なところのプラークが残るのですね」と言葉をかける。
A型の患者さんが義歯に歯磨剤の使いすぎで義歯床を磨耗させていたなら、無知だとかA型は神経質だとは考えず、「慎重でキレイ好きの性格が災いしましたね」と説明する。
また、B型は好奇心旺盛だから、いろいろなデンタルグッズを試すが長続きしない。AB型はA型的だが、B型分子を持っているので適宜応用ができる…。
だれしも、悪い部分を直接的に指摘されるとすなおにはなれない。だから、患者さんが気分を害さないように、悪いのはあなたではなく血液型のせいであると言うわけだ。しかし、良いところはあなた自身の性格、決して血液型のせいではありません。ここのところは大切!
もちろん毎度毎度こんな指導をしているわけではないが、エッセンスとして使えば効果的である。ブラッシング指導だけでなく、診療室でのスタッフミーティングや、友だちとの会話で言いにくい話をする時にも、役に立つこと間違いなし。