訪問口腔ケア患者Mさん(5)

Mさんの落書き

Mさんの落書き

Mさんの部屋の大きなカレンダーの隅には、雪だるまの貼り絵がありました。
今日訪問して、えっ!なにこれ?
落書きにビックリしました。
「誰が書いたん?」

「私以外の誰が書きますか?」

「えー?Mさんが書いたん?」 大爆笑

口腔ケアする前に、しとしきりお話しをして・・・・

「ね、眼鏡かけなくても新聞読めるの?」

「そりゃー見にくいわよ。」

「じゃー私の眼鏡かけてみる?どうぞ。」

「何これ。まったく見えないじゃないの。」

「えっ?もしかして、老眼じゃないの?」

「違うわよ、近視よ。」

アンビリーバブル。大変失礼しました。
 80歳過ぎているからてっきり老眼と思っていました。」

「失礼ね。」

「どうして眼鏡かけないの?」

「以前、眼鏡かけていて転んだので、危ないと思って。」

「そうなんだ。」
眼鏡をかけない原因が一つわかりました。
しかし、これだけでないかもしれません。
まあ、それはおいおいに。

おやつの時間、シュウクリームが配られてきました。
すると、Mさんは
「私は結構ですから、下げて下さい。
 いえ、まって。この方にあげるわ。」
そう言って、私にシュウクリームを下さいました。

「いいの?」

「どうぞ、召し上がって。」

「ラッキー。お礼に、私が作った餡子食べて下さい。」

先週、餡子が大好物だけど、おやつに出ないとおっしゃっていましたので、
お土産に持っていきました。

手作り餡子。おはぎを作ったあまりですが・・・・

手作り餡子。おはぎを作ったあまりですが・・・・

「えー、作って来たの。いいわよ。」

「一緒に食べましょうよ、おやつ。ほら、ベットから起きて。」

Mさん、ぱくっと食べて「美味しいわね」

「もう一つどうぞ。」

パックン。

てなことで、いつものように歯磨きとなりました。

「ところで、この雪だるまの文字は?」

「私の好きな歌よ」

「どんな」

「♪♪♪♪♪♪~」歌って下しました。

「Mさん、澄んだソプラノですね。」本当に上手!

「そうよ、声量は落ちたけど、これでも 声楽してたのよ。ソプラノ。」

「へー、やっぱり違うと思った。」

「今は歌わないの?」

「もう、声が出なったから歌わないわ。」

「じゃー、来週から私と一緒に歌いましょうね。私は微妙な音痴ですが。」

この後、ハイテンションになったMさん、
1時間もおしゃべりしてくれました。
これも、立派な口腔ケア

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