5~6歳ころにパノラマレントゲン撮影はいいかも

9月29日 13:30~15:30 ゴールドピアにて
歯科衛生士のための読書会をしました。

スタートは、先日の摂食嚥下リハビリてテション学会の報告と、
皆さんが参加した研修会の感想の紹介でした。

『口腔の育成をはかる 1巻』P78~P86

★まずは、いつもポッカリお口が開いている子どもの話。
乳幼児期から様々な要因が関与する原因を考えると、
歯科保健指導も一筋縄ではいかないなーと感想が漏れました。
いつも戻るのは、当たり前の躾の大切さですね。

口腔疾患に関与する躾は、家族が食卓を囲む食事の時間が多かったと思いますが
核家族、シングルの親、孤食の時代と言われる現状を鑑みて、
健やかな子どもの口腔受難の時代と言わざるを得ないですね。
すなわち、私たち歯科衛生士が頑張らなければならないということでもあります。

★次は、乳歯早期喪失6つの理由

①虫歯や形成不全での保存困難による抜歯

②外傷や事故によって脱落した歯が再植できなかった場合

③歯根破折で保存できない場合

④授乳困難による天歯の抜歯

⑤過剰歯が原因となる乳歯脱落

⑥後続する永久歯の萌出によって、先行する乳歯だけでなく
 隣接する乳歯までもが脱落した場合

乳歯早期喪失は診療所に勤めていれば珍しいことではありませんが
⑥のケースは皆さん遭遇しなかったそうです。
私は、なんと息子がこのケースでした。

6によるe脱落

この模型は、下顎6番萌出によって、eの根が吸収している様子です。

私お恥ずかしいことに、気づかなかった。
仕上げ磨きで、eがぐらっとしてビックリでした。

 

★過剰歯については、参加していた衛生士さんのお子さんの経験を話してくれました。

逆性埋伏過剰歯や永久歯歯胚の位置異常の原因になっている伏過剰歯は、
7歳前後が摘出至適時期と考えられているようです。

 

★また、永久歯の先天欠損の患者さんが来院した症例の紹介もありました。

そこで、私たちの話は、

  「六歳前後でパノラマを撮ったらいいんじゃないかな?」

  「そうやね、私もそう思う。」

  「何もなくっても安心できるでしょ。」

  「定期健診では、虫歯だけ見ているんじゃないんだということもわかってもらえる。」

  「今はデジタルになって、被爆線量も低いしね」

  「その点も親御さんに安心してもらえるね」

  「いくらくらいかかるのかな?」

  「確か300点くらいよ」

  「じゃ、本人負担は1000円」

  「子どもは、市が負担してくれるよ」

  「だった、お勧めしやすいね」

さらに、私が思うに・・・・・・・・・・・・・・・・・・

パノラマ写真をプリントアウトして子どもに渡して欲しいなと思います。
乳歯から永久歯の生え変りッて、学生時代に教わった時、感動したのを覚えています。
子どもたちが、命の不思議に感動することができますよね。
顎の中の永久歯を強くするために、しっかり食事をとることが大事だと分かりますね。
噛むことも大事、姿勢も大事、運動も大事
つまり、生活によって自分を健康するということを理解する教材です。
言い換えれば、病気には自分の責任もあるし、健康は日々の生活によって成り立っている
ことに気づくきっかけになるということです。

最後に、この本のやさしさが伝わるか所を紹介しておきます。

P86
  大切なことは、埋伏過剰歯を乳歯列に期に発見したなら、過剰歯、切歯歯胚、乳切歯歯  根の位置関係を明らかにし、摘出時期や方法を検討するだけでなく、
  経過観察中に、子どもが歯科治療を受け入れ、、協力的に埋伏過剰歯の摘出ができるよ  うな体験を積むことです。このような努力の積み重ねが、成長発達期の患者さんを預   り、口腔育成をはかろうとする歯科医師のとるべき姿勢であると考えています。

今回一番感心した箇所であり、
私自身もこのような歯科医療従事者になりたいと願っています。

子どもが何ごともなく、すくすくと育つのは理想的ですが、
病気と闘う中で、子どもは、生きる力をはぐくみ、人の痛みも感じることができるように育ちます。また、家族の暖かさや社会の人々との人間関係をも学びますものね。
<口腔育成は、人間育成>歯科衛生士は、そういうことを担う仕事でもあることを再認識することができました。

次回、歯科衛生士のための読書会の予定

10月27日(日) 13:30~15:30 ゴールドピアにて
『口腔の育成をはかる 1巻』P87

 

日々思うことこの記事のURL