歯科医院に於いて、保健指導に食生活に関するアドバイスは不可欠です。
その内容は、かつてのおやつに入っている砂糖を目の敵にする指導から、
食生活全体に目を向け、広がりをもった指導になってきたようです。
それは、<昭和30年代>どの家庭の食事も健康的でしたから、
あえて指導する必要がなかったとも言えます。
ただ、発癌性に関連する食品添加物のお話をしていたと思います。
しかし、最近は日本人の食に対する意識もずいぶん変わってきました。
やっと自覚してきたところでしょうか。
とは言え、昔とは桁外れの食事と呼べない食生活を送っている方も増えています。
お菓子が食事と化してしまっているのですね。
さて、私も<ひかり協会>の相談員として、口腔保健の立場から食生活指導をしています。
実際に指導をするとなると、現場を見ないとできません。
食の現場は、台所。
先日、昼食前に家庭訪問しました。
「今日のお昼は何食べるの?」
「昨日の夜の残りのおかずでご飯を食べます」
冷蔵庫から出してきてくれたのは、おから・白和え・ひじきと大豆の煮もの
それからコーンサラダ。
以前指導して、自身で料理することが難しいということがわったので、
出来合いのお惣菜の選び方、買い方を説明しました。
しっかり覚えて、実行してくれています。
「じゃー、晩御飯は?」
これと、お味噌汁を作りとのことでした。
気になったのがタンパク質・・・
「お魚とか食べてる?」
「うん、唐揚げとか、刺身も買うよ。」
そうかそうか、よかったよかった。
頑張っているので、血圧、血糖値も安定しているし、体重も良好!
患者さんによっては、実際台所で料理まで手伝います。
離乳食や、介護食は家族の日常のおかずを取りおいて、少し手を加える。
薄味にしたり、つぶしたりと。
食生活指導は、それぞれの方の生活、台所事情、料理力、経済状態、買い物店、
好みなどを把握して、行うのです。
特に、お金の問題はシビアです。
ここで、Foodは風土と喝破した、わたくしの食の師匠
幕内秀夫先生のお言葉が思い出されます。
「旬の食べ物は、うまくて、安全でやすい!」
「おっしゃる通り!!」
ここまで書いて師匠のブログ<幕内秀夫の食生活日記>をのぞくと、
おいしそうなさんまの塩焼きが登場していました。
そして、こんなことも書いてありました。
それほど意識しているわけではありません。
「旬」はごはんと味噌汁にあると思っています。
これを中心にして、サイフと相談して作ればおおよそ季節感のある食事になる。
それが日本の食事のいいところですね。
『「食」のドラック化が始まっている』(案)。
新刊の「まえがき」の一部です。まだ、連休中に書き直しますが・・・
そういえば、ずいぶん前の新聞記事で、食費よりサプリ費の方が多い家庭が出てきた
ということにびっくりしたことがあったなー。こんな話にメスを入れるような新刊が
出版されるのでしょうか。楽しみです。