若い歯科衛生士さんから、質問がありました。
1歳6ヶ月児健診で、上顎aに脱灰(Co)が見つかり、
「歯科医院でフッ素を受けましょう」と指導されたという患者さんが来院されました。
歯面清掃&フッ素塗布をしたあと、次のような質問をされて困ったそうです。
その時、清涼飲料水は、砂糖の量が多いので気をつけましょうと指導を受けたそうです。
ところが、自然食品店の方から、
蜂蜜は砂糖が入っていないので虫歯の原因にならないから、
蜂蜜を溶かして飲ますといいと指導されたそうです。
清涼飲料水の成分表示を見ると、クーなどのジュースには砂糖は入ってない。
蜂蜜とクーは同じくらい虫歯になりにくいんですか?
また、以前保健師さんから、子どもに蜂蜜を舐めさせてはいけないと指導されたことを
思い出したんですが・・・・・・
虫歯予防の保健指導も難しい時代になりましたね。
指導する方も、される方も大変ですね。
まず、保健師さんが蜂蜜を食べさせてはだめっといったことについて。
乳児ボツリヌス症 [編集]ウィキペディアより
- 通常のボツリヌス症と異なり、ボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより起こる。芽胞は乳児の体内で発芽し、ボツリヌス毒素を作り出す。原因となる食物はいくつか考えられているが、蜂蜜について因果関係が明白になっている。そのため、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えてはならない(1987年10月20日厚 生省通達)。芽胞は高温に耐える(下記参照)ため、一般的な加熱調理では蜂蜜中の芽胞の除去は困難である。この中毒が乳児特有である理由として、乳児は成 人に比べ腸内細菌叢が未発達であることや、消化管が短いことから、成人では消化管で殺菌されるボツリヌス菌が乳児では腸管まで届いてしまうためと考えられ る。
つまり、蜂蜜の中にはボツリヌス菌が混入していることが、稀にあります。
大人には、全然問題のない量ですが、0歳児には耐性もないため食中毒の原因となり ます。
しかし、1歳過ぎれば大丈夫でしょう。
その点、工場製品の日本の砂糖は安全。薬に近い。(ただし、薬は毒)
子どもには、素材そのものの甘みを教えたいですね。芋・にんじん・果物など
<ハチミツの主な成分>
●約80%が糖類(ショ糖を分解したブドウ糖と果糖)で、ショ糖より吸収が早い。
●約20%の水分、
●数%の栄養素(ビタミン、ミネラル、有機酸、必須アミノ酸など)
虫歯菌といわれるミュータンス連鎖球菌は、ショ糖を分解して、グルカンをつくります。
この粘着性不溶性グルカンによって、細菌の共凝集がはじまり、歯垢が成熟していきます。
蜂蜜の、糖がショ糖ではなく、ブドウ糖と果糖であるというところから、
虫歯にならないと言われたのでしょう。
しかし、歯垢内部のミュータンス連鎖球菌や乳酸桿菌は、
ショ糖だけでなく、ブドウ糖や果糖を代謝して酸を産生します。
この酸による脱灰が虫歯ですね。
ブドウ糖果糖・果糖ブドウ糖は、次回に……