坂東先生から、興味深い情報を頂きましたので紹介します。
過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある人は、
歯石除去を受けたことのない人に比べ心血管イベントのリスクが低く、
歯石除去の頻度とリスク減少の程度は関連することが、
台湾の大規模住民データの後ろ向き解析から明らかになった。
台湾Taipei Veterans General HospitalのZu-Yin Chen氏が発表した。
口腔の衛生状態と心血管疾患のリスクには関連があることが知られ
歯磨きの励行は心血管イベントのリスクを低下させることが最近報告されている。
そこでChen氏らは、
台湾の国民健康保険データベースから抽出した1995~
を利用して、後ろ向きに解析した。
解析対象は、
群)と、歯石除去を受けたことがない5万1512人(非除去群)。
両群ともに心筋梗塞および脳卒中の既往がなく、
性別、合併疾患を適合させて登録した。
平均7年間の追跡期間中、急性心筋梗塞(AMI)
非除去群で281例(0.55%)発生した。
非除去群を対照とした歯石除去群におけるAMI発症のハザード比
血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病の有無で調整後)は0.79(95%信頼区間[CI]
またKaplan-
(Log Rank P=0.027)
脳卒中の発生は、歯石除去群1168例(2.27%)
歯石除去群の多変量調整後HRは0.87(95%CI:0.
に独立したリスク低下因子となった。
Kanlan-Meier法による脳卒中回避率も、
Rank P=0.004)。
総心血管イベントも同様で、発生数は歯石除去群1348例(2.
1533例(3.00%)。
歯石除去群のHRは0.86(95%CI:0.80-0.93、
るイベント回避率は
歯石除去群が有意に良好だった(Log Rank P=0.001)。
さらに、歯石除去の頻度別に「歯石除去を受けていない(
未満(低頻度群)」「2年間に1回以上(高頻度群)」に分けた傾向解析において、
総心血管イベント(P for trend=0.001)それぞれで、
Chen氏は以上のデータから、
「
口腔内の衛生が保たれ、将来の心血管イベントのリスクが低下することが裏づけられた」
(日経メディカル別冊編集)