『妻でなくていい最後までこの人の付き添いでよかった』
太田しのぶ ・ 太田重二郎 著 文芸社 1,200円
この本の後半は、
昭和60年から180回も続いた会<医療と宗教を考える会>の
世話人であった太田重二郎先生の随筆『死について』が収録されています。
死と隣り合わせの患者さんの訪問口腔ケアをする歯科衛生士、
また、病院で癌患者さんのケアに関わる歯科衛生士においても
この問題は避けて通れません。
ですから、訪問口腔ケアの講義の中で、この太田先生の随筆を紹介しょうと思っています。
この本では、ドイツの中学生向きの教科書の一例が紹介されています。
日本では、社会人として生きて行くための教育は充実しているような気がしますが、
死に対する教育はほとんどされてないのではないでしょうか。
看護学校では、「死生学」や「生命倫理」の授業があります。
「死への準備教育」はそのまま「生への準備教育」と著者は述べています。
つまり、人間らしく生きるためには、
「死生学」まで含めて学ぶ必要があるということです。
普段、あまり考えることはありませんが、
私自身も常に死と隣り合わせとして生きているんですね。
この授業で、学生さんと一緒に学んでいこうと思います。
太田重二郎先生が最後に書いている2つの事柄は、私にはちょっと理解できません。
・霊的満足度(実存的満足度とも言え)について
魂のケアアが必要であると書かれているが、その魂とはなにか?
・死後の生命を信じるというのは、現在の人生にも意義を見出すことである。と
語られる、死後の生命をどう理解するのか?