1、自分の歯肉炎を発見できる 2、歯肉炎は自分で治す病気であることを知る
これを教えるのは、大人でも大変難しい。
特に、自分の歯肉を見て、歯肉炎を発見するのは難しいのです。
小学校の授業で、歯肉炎のチェックを担任の先生にお願いしても、
重症のものしか分からないと言われたことがあります。
まず、正常な歯肉とはどんなものかを、しっかり理解することが大切。
『子どものための 歯肉炎予防マニュアル』東山書房 2040円
『子どものための歯肉炎予防マニュアルピカピチノート(歯肉炎ワークシート)』510円
この2冊は、授業の予習にお勧めです。コピーして使えるワークシートは便利。
自分の口を見ても、なかなか歯肉炎のチェックができません。
そこで、実際の写真を学生一人一人に配り、それと鏡に映った自分の歯肉を比べて
もらうと、比較的分かりやすいようです。
小学校では、児童の口腔内写真を事前に用意し、それと比較させていました。
以前でしたら、口腔専用のカメラが必要でしたが、今はデジカメの性能が良いので
授業に使う写真は家庭用のデジカメで充分です。
学生を椅子に座らせ、指で唇を引っ張ってもらいとります。
福祉の専門学校では、各自携帯電話のカメラを使って撮影します。
<注>歯肉の観察は、歯垢を赤く染める前にしたほうが分かりやすいです。
次に、学生に質問します。
2枚の写真は同じ人の口腔内ですが、どちらが先に撮られたでしょう?
実は、下の方が先に撮影したものです。
歯肉炎を、ブラッシングによって治したのが上の写真。
ワークシートを使って説明するだけより、実際に治った写真は動機づけになります。
歯肉炎の患者さんに、携帯電話のカメラで歯肉の毎週写真を撮ってもらいます。
ブラッシングによって、歯肉炎が改善していく経過を見ると、日々の歯磨きの励みになるようです。
歯周疾患は、生活習慣病ですから、考え方は肥満・糖尿病などと同じ。
学生さんにとっては、しっかり歯肉炎に向かう態度を学ぶことで、
全身の健康をつかむ方法を身につけることができると思います。
歯肉炎は、健康に生きることを学ぶ最高の教材ですね。
歯周疾患は、全身疾患と関わりがあります。
糖尿病などは、歯周疾患を悪化させますし、逆に、歯周疾患が全身疾患を悪化させます。
つづく