晴耕雨無のゴールデンウイーク

0円食堂ならぬ、0円農業状態からお百姓さんになった息子の農地は、着実に増えています。
おかげで、私はジム通いの代わりに、畑通いをしています。

ゴールデンウイークは、晴耕雨読でいきたいと、ほくそ笑んでいたら、
なんと、雨が降りませんでしたから、農作業三昧で終わりました。

ただ、我が家のゴールデンウイーク恒例行事は外せないので、
セーター、毛布などを洗って衣替えと、大掃除はちゃんとやりました。

胡瓜は500本。
霜にやられたら一貫の終わりですから、4月はビニールのトンネルでカバーをしていました。
その、トンネルを取り外し、アーチを立てます。
このアーチにネットをかけて、そこに枝が巻き付きながら胡瓜は成長します。
6月から収穫が始まります。

ピーマンは、100本。
定植してしばらくは、毎日、柄杓で水やりが必要です。
ここまでくると、次は、脇芽というものを除去してやらなければなりません。
この脇芽、容赦なく、どんどん出てきます。

畔の草は、脇芽よりも、ぐんぐん育ちますから大変です。

こちらは、茄子1,000本。
苗を植えて、一本ずつ添え木を当て、テープで止め、水をやるのは大変でした。
もっと大変だったのが、銀色のマルチというビニールでした。

連休前に定植の準備をしました。私ではなく息子がですが。
畑を耕して、肥料をやり、畝を立てます。(この畝は50m)
次に、マルチを張って、ペグで止め、さらに土を被せて風に飛ばされないようにします。
しかし、無慈悲な突風は、マルチを吹き飛ばしました。
またやり直し( ^ω^)・・・

風によって胡瓜の苗も、少し折れちゃいました。

このような事態を見ると、農業と工業の違いを痛烈に感じます。
自然相手の仕事は、先が読めないことが多いです。
農業の工業化が進む理由が分かりますね。

しかし、息子が言うには、
「単なる原因と結果の関係じゃないから面白い!」
「農業は工場と違って、人間が寝ている間も仕事が進んでいる。ありがたい!」
「僕が百姓するのは、単に野菜を作るということではない。
 土地を守るという、重要な意味がある。それは、日本の地域文化を受け継ぐという事だ。」

立派な口を利くようになったではないかと思っていると、
師匠の受け売りだそうでした。
彼の師匠は、愛媛県のジェイ・ウイングファームの牧 秀宣さんという方です。
会社を辞めた息子が、2年間ほどお世話になった所です。
そこで教えを受けた仲間は、「俺たちは、ジェイ・ウインガ-」という
誇りを持っているそうです。

何かにつけて、「ジェイ・ウインガーなら絶対○○するわなー」と言います。
まずは挨拶。出会ったら子どもから、つえをついたおばあちゃんまで。
道でこまっている人がいたら…脱輪、転んでいる、超重そうなものを運んでいるなど
必ず、車を降りて見に行きます。
隣の畑が困っていたら、自分の手を休めてでも、手伝いに行っています。
こうして書いてみると、当たり前のことばかり。

教えを守りながら農業を続け、師匠の言葉を語っていると、最初は真似でも、
いつの間にか、自身のものになってくのでしょう。
私の経験からそう感じます。

きっと人は、仕事を通して修行し、なにがしかを悟っていくのはないでしょうか?!
施設の高齢者の皆さんと話していても、何の職業についていたかではなく、
いかにその仕事に取り組んできたかによって、どんな老人になるかが変わる。
テーブルに着いた人たちの会話を聞いていて、教えられました。
食堂のテーブルは、気の合う仲間で囲まれています。
文句ばかり言っているテーブル、若いスタッフを見守るテーブル。

いい師匠と仲間に恵まれることの大切さは、どの仕事も同じですね。
歯科衛生士学校での授業や、実習は、自分にとっての師匠や仲間を見つけるための
嗅覚・感覚を磨く所だと思えてきます。
皆さんにとって、いい出会いがありますように。頑張ってください。

          <歯科衛生士概論の授業より>

 

お世話になった、2反の菜花畑は耕うんされて、しばらくお休み。

ちなみに、1反(たん) = 300坪 = 991.74㎡ = 約10アール

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