日本の歯科技工士は存亡の危機 国会内で「保険でよい歯科医療を」集会

J-CASTニュース6月16日(火)11時25分
画像:歯科技工士、歯科衛生士の地位向上と待遇改善が求められている

歯科技工士、歯科衛生士の地位向上と待遇改善が求められている

   「保険で良い歯科医療を」のスローガンの国会内集会が2015年 6月 4日、東京の衆議院第1議員会館で開かれた。

   全国から集まった400 人を超える歯科医、歯科技工士、歯科衛生士らと、40人以上の国会議員、秘書らが参加した。

歯科衛生士も待遇改善が必要

   集会では、1992年から歯科関係職が協同で活動している「『保険で良い歯科医療を』全国協議会」はじめ、歯科技工士会、全国保険医団体連合会などの代表が、国の低医療費政策で歯科医療費が10年以上も増えていないため、さまざまな問題が起きていることを訴えた。

   た とえば、義歯などを作る歯科技工士は低賃金、長時間労働で、卒業後 5年以内に75%もが離職している。66%が週70時間以上働き、37%はほとんど休みが取れない状態なのに38%は可処分所得が 300万円以下という惨状だ。歯科医が払う技工料は事実上、市場価格で、国が中国などからの安価な輸入義歯を認めているなどから低めで、国家資格である歯 科技工士の職種自体が存亡の危機にひんしている。

   歯科診療所に勤め、診療補助や口腔ケアなどの予防を担当する歯科衛生士も、診療報酬は十分とはいえず、主に経済的な理由から 3割の診療所は雇用していない。

   高い窓口負担や自費診療が患者の受診を妨げている要因だとして、関係団体は保険で良い治療が受けられる歯科医療の実現をめざす。

   集会はこのために(1)窓口負担の大幅軽減(2)保険のきく歯科治療の範囲の拡大(3)歯科技工の引き上げ(4)歯科技工士、歯科衛生士の地位向上と待遇改善(5)歯科健診の充実(6)歯科診療報酬の引き上げ、を求めるアピール文を採択した。

(医療ジャーナリスト・田辺功

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