Aさんの新しい義歯がやってきました。
娘さんと私は、先生や衛生士さんの様子、そしてAさんをじっと見守っています。
Aさんに新しい義歯が入りました。
Aさんは、何度も鏡を覗き込んで、確認するように義歯を見つめていました。
先生が義歯の調性をする様子を、食い入るようにずっと見いていました。
<素晴らしい集中力!>
しかし、緊張のためか、なかなか水の嚥下ができない。
先生は、言葉の出ないAさんに違和感がないか心配そうです。
大丈夫です。
Aさんは、いやなときは健側の左手で、小さく机を叩きますから。
もしくは、右手の指先でイライラを表現してくれますから。
毎日お付き合いさせていただきましたから、わかります。
<新日曜美術館>と言う番組で、人形作家さんが出演していました。
面白いことを話していたのを思い出しました。
人形を作るのは、まず、手からなんだそうです。
一番、感情が現れるところだからだそうです。
上の写真は、はその作家さんの人形の手です。
なるほど、Aさんもそうです。
患者さんも、案外無意識の手に、本音が現れるのかも・・・
私たちも、身体は嘘をつけない
『摂食嚥下訓練を行っている患者のAさん(10)』 への55件のコメント