衛生士学校では、小学校で歯科保健指導をするためのシナリオ作りをしていますので、
紹介します。シナリオは、練習しながら修正を加え完成させていきます。
みなさんこんにちは。私たちは歯科衛生士の専門学校から来ました。
学校では歯科衛生士になるための勉強をしています。
皆さんは歯科衛生士という仕事を知っていますか?
歯科衛生士は歯医者さんで、患者さんに歯磨きの仕方を教えたり、歯医者さんの治療の手伝いをしたりする仕事をしています。
今日は、皆さんに口の健康に歯についてのお話しをするのでしっかり聞いてください。
まず、このグラフを見てください。これは、
1回の食事を、何回噛んで食べたかという、噛む回数と
その食事を食べるのにかかった時間を表しているグラフです。
Aのグラフは 1回の食事を食べるのに、51分かけています。
その、食事を3390回噛んで食べることをあらわしています。
Bのグラフは、1回の食事を、1420回噛んで、22分かけて食べていることを表しています。
Cのグラフは、1回の食事を 620回噛んで、11分 で食べていることを表しています。
この3つの食事は、弥生時代、昭和時代、今皆さんや私たちが生きている現代のものです。昭和時代は、平成の前で、皆さんのおじいさんやおばあさんが若かったころのです。
弥生時代って、聞いたことがありますか?今から 2千年以上前です。
では、ここで質問です。
A・B・Cのうちどれが、現代の食事の噛む回数と、食べる時間を表していると思いまか?
Aだと思う人は手を挙げてください。
Bだと思う人は手を挙げてください。
Cだと思う人は手を挙げてください。
○○が一番多かったですね。
正解はCです。
昭和時代の人は、今私たちの 2倍以上噛んで食べていたんですね。
そして、弥生時代の人たちは、なんと私たちの5倍、噛んで食べていたんですね。
では、口や身体にとって、噛む食事と あまり噛まない食事では、
どちらが健康にいいと思いましか?
そうですね、食事をよく噛んで食べると、口や全身が健康になります。
私たちが、学校で習ったことを紹介しますね。
よく噛む食事をしていた弥生時代の女王様は、「卑弥呼」というひとです。
その「卑弥呼」の頭文字をとって、噛むことが、どんなふうに身体にいい影響を与えるか、一緒に覚えましょう。
<ひ・み・こ・の・は・が・いーぜ>これが覚え方です。
まず「ひ」は、
ひ:肥満防止(よく噛むことちょうどよいの量で、お腹がいっぱいになって、食べすぎがなくなります。)良く噛むことで、肥満を予防できるのです。
み:味覚の発達(たくさんの種類の食べ物を食べれば味覚が発達します。)
こ:言葉の発音(よく噛むことで、口の周りの筋肉が発達して言葉の発音がよくなります。)
の:脳の発達(よく噛むことで脳が発達します。)
は:歯の病気予防(よく噛むことによって、唾液がたくさん出て虫歯を予防します。)
が:がん予防(唾液ががんの元になる物質をやっつけます。)
い:胃腸快調(消化がよくなります。)
ぜ:全身の健康(噛むことで身体が健康になります。)
皆さんプリントのこの部分に書き込んでください。
書けましたか?
では、一緒に覚えましょう。私たちの後に続けて読んでください。
ひ:肥満防止、み:味覚の発達、こ:言葉の発音、の:脳の発達、は:歯の病気予防、が:がん予防、い:胃腸快調、ぜ:全身の健康。
皆さん、覚えましたか?
噛むことは身体にとってもいいことが分かりましたね。お母さんやお父さんなどお家の人にも噛むことの大切さを教えてあげましょう。
では、噛むことは大切なのに、
どうして現代の私たちは、こんなにもお食事を噛まなくなったのかな?
弥生時代、昭和時代、現代の食事メニューを見ながら一緒に考えていきましょう?
Aの弥生時代のメニューは、もち玄米のおこわやアユの塩焼き、ハマグリのお汁、長芋の煮物、クルミ、栗です。
Bの昭和時代のメニューは、麦飯や大豆の味噌炒め、野菜の味噌汁、ニンジンと大根などの煮物、タクアンです。
Cの現代のメニューは、パンやハンバーグ、コーンスープ、ポテトサラダ、プリンです。
これを見て、どうして私たちは食事を噛んでいないかわかりますか?
そうですね。
噛まなくなった理由は、軟らかい食べ物を好むようになったことです。
あまり噛まなくてよいものばかり食べていることが、
噛む回数を減らす原因になっているんですね。
ここで皆さんにクイズです。
ハンバーグと焼肉なら、どちらがよく噛むと思いますか?
ハンバーグだと思う人は手を挙げてください。
焼肉だと思う人は手を挙げてください。
正解は焼肉です。
では、次の問題です。
ポテトチップスと醤油せんべいでは、どちらがどちらがよく噛むと思いますか?
ポテトチップスだと思う人は手を挙げてください。
醤油せんべいだと思う人は手を挙げてください。
正解は、醤油せんべいです。
では、次の問題です。
ごはんと食パンはどちらがどちらがどちらがよく噛むと思いますか?
ごはんだと思う人は手を挙げてください。
食パンだと思う人は手を挙げてください。
正解はごはんです。
では、最後の問題です。
リンゴとリンゴジュースではどちらが、どちらがどちらがよく噛むと思いますか?
リンゴだと思う人は手を挙げてください。
リンゴジュースだと思う人は手を挙げてください。
正解はリンゴです。これは分かりますよね。
私たちは、リンゴで実験しました。切り方を変えて、噛む回数を数えてみました。
① 丸のまま食べる
② 皮をむいて食べる
③ 皮をむいて 1/4に切って食べる
④ ジュースにする
その結果は
① 丸のまま食べる・・・・・・・・・・・・・・・ 回
② 皮をむいて食べる・・・・・・・・・・・・・・ 回
③ 皮をむいて 1/4に切って食べる・・・・・・ 回
④ ジュースにする ・・・・・・・・・・・・・・ 回
同じ食べ物でも、選び方や、切り方で、噛む回数は変わります。
お肉でも、ミンチ肉か、大きい肉かで噛む回数は変わります。
りんごだと、丸かじりすると糸番よく噛めますが、小さく切るほど、噛めなくなります。
ジュースだと、全く噛めませんね。
野菜や果物は、大きく切った方がよく噛めるのです。
皆さんの好きなスナック菓子は、しっかり噛むことができません。おやつを選ぶときも、よく噛むものを選ぶようにしするといいですね。
どんなものを選んだらいいと思いますか?
炒り豆、とか、するめはどうでしょうか?
皆さんは好きですか?
では、ここでするめを噛んで食べてみましょう。
お姉さん達がするめを配るので皆に配り終わるまで待っていてください。
皆さん、手元にするめはありますか?
では、今から2分間計るので、飲み込まないように噛んでください。
{するめを配って、何回噛めるか数えてもいいかもしれませんね。}
よーい、スタート。
どうですか?
あごが疲れた人はいませんか?
あごが疲れるのは普段、あまり噛んでないのかもしれません。
これからは、意識して噛むようにして下さいね。
唾がたくさん出ましたね。
この唾は、むし歯世歯茎の病気を予防してくれるし、
食べ物を、良く噛むためには、歯が大切ですね。
その歯を虫歯から守るために、皆さんは何をしていますか?に
そうですね、甘いおやつを食べすぎないようにしたり、歯磨きをしていますね。
歯ブラシでお掃除するのは、歯についた歯垢という汚れです。
歯垢なん食べていないのに、どうして歯に歯垢がつくかお話ししますね。
皆さんのお口に中には、目に見えませんが虫歯菌がいます。
虫歯菌は、皆さんの歯についている、甘いお菓子の食べかすを食べて、白くてネバネバしたのりのような物をつくり、その中に住んでいます。虫歯菌とネバネバしたものを合わせて、歯垢といいます。
<歯垢>という歯の汚れの中に住んでいる虫歯菌が歯をとかして虫歯を作るのです。
ですから、虫歯を予防するためには、歯ブラシで、歯垢をきれいにお掃除することが大切です。皆さんが歯磨きすることで、歯垢はとれて、歯はツルツルできれいになります。
でも、しっかり磨いているつもりでも、磨き残しているところがあると、毎日歯磨きしているのに、虫歯になってしまいます。
ですから、今から皆さんの歯に、虫歯を作る歯垢がついているかどうか調べましょう。
皆さん机の上に
歯ブラシ、コップ、洗濯バサミ、タオル、鏡、牛乳パック、赤鉛筆を出してください。
忘れ物がある人は近くのお姉さんに声をかけてください。
皆さん準備はできましたか?
では、タオルを首に巻いて洗濯バサミでとめてエプロンを作ってください。
やり方が分からない人は近くのお姉さんに言ってくださいね。
次に、お姉さんが達赤い液のついた綿棒を配るので、もらった人から歯全体に赤い液を塗ってみてください。裏側も忘れずに塗ってください。
この赤い液が、服につかないように、気を付けて塗ってください。
塗れた人はお姉さん達に綿棒を返してください。
皆さん塗れましたか?
では、コップの水で口を1回だけゆすいで、持ってきた牛乳パックに出してください。
皆さんゆすげましたか?
先ほど配ったプリントのこの部分に、自分で鏡を見ながら、
赤く染まったところを赤鉛筆で塗ってください。
分からないときは、近くのお姉さんに聞いてください。
皆さんできましたか?
どこが赤くなっていますか?
分かる人は手を挙げて下さい。
そうですね、
歯と歯の間や歯と歯茎の間が一番赤くなっている人。
歯の裏側が一番赤くなっている人。
奥歯のみぞの部分が一番赤くなっている人。
その、赤く染まったところは歯垢です。
磨いているつもりでも磨けていなくて、よごれが残っているところです。
それでは今から、赤く染まっているところをお姉さんと一緒に磨いていきましょう。
最初に、前歯の歯と歯の間を磨いていきましょう。
歯ブラシをグーで持ってください。
歯と歯の間は歯ブラシのわきという部分を使って磨いていきます。
歯ブラシのこの部分とこの部分がわきです。
歯ブラシを縦に持ってください。
前歯にあてて、上下に動かしてください。
鏡を見ながら確認をして磨きましょう。
つばがたまって気持ち悪い人は牛乳パックに出しましょう。
では次に、歯と歯茎の間を磨いていきます。
歯ブラシは鉛筆を持つように持ってください。
持てたら歯ブラシを横にして歯と歯茎の間にあててください。
優しい力で小さく動かしてください。
では次に、奥歯のみぞを磨いていきます。
歯ブラシは鉛筆持ちのまま磨きましょう。
奥歯のみぞは歯ブラシの先をあてて小さく動かします。
その時、1本ずつ磨くように心がけましょう。
最後に歯の裏側を磨いていきましょう。
前歯の裏側も歯ブラシの先を使って縦に磨いていきます。
前のお姉さんのように歯ブラシを持っていないほうの手で、
前の人につばが飛ばないように口を覆いましょう。
かき出すように磨きます。分からない人は近くのお姉さんに聞いてください。
コップの水で口をゆすいで牛乳パックに出してください。
まだ、赤いところが残っている人も居ると思います。
{時間がなければ}後で磨いて下さい。
{時間に余裕があれば}鏡を見ながら、今練習した方法を思い出して、全部きれいに磨いて下さい。きれいになったお友達は、手を挙げて下さい。
皆さん、どうでしたか?難しかったですか?
歯磨きは簡単そうですが、本当に歯垢をきれいにののけるのは、大変難しいのです。
今、一緒にした磨き方で時間をかけてすると、きれいに磨けるようになります。
では、今皆さんがした磨き方を復習してみましょう。
前歯の歯と歯の間は、歯ブラシをグーで持って縦に小さく動かして磨きます。
歯と歯茎の間は歯ブラシを鉛筆持ちで、横に小さく動かして磨きます。
奥歯のみぞも鉛筆持ちで、歯ブラシの先を使って1本ずつ磨きます。
前歯の裏側は歯ブラシをグーで持って、かき出すように磨きます。
今日は、よく噛むことが口や身体にとって大切だということをお話ししました。
良く噛む食事は、歯垢を付きにくくします。
歯をきれいにするには、歯磨くだけではなく、よく噛むことも大切です。
皆さん、今日一緒にした勉強した、噛むことの大切や歯磨きの仕方をお家の人にも教えてあげて下さいね。そして、家族みんなで元気に過ごして下さい。
これで、お姉さんのお話は終わります。
最後までしっかり聞いてくれてありがとうございました。