先日の研修会で、ヴァージニア・ヘンダーソン著『看護の基本となるもの』1961年を
紹介しました。そこに書かれた、口腔ケアに関する部分を抜粋しておきます。
歯を磨くこともごく簡単なことであると多くの人は思っているが (実際には口腔衛生について十分知っている人はほとんどいない)、意識を失っている人の口腔を清潔に保つのは非常にむつかしくまた危険な仕事であり、よほど熟練した看護婦でないと有効にしかも安全に実施できない。実際、患者の口腔内の状態は看護ケアの質を最もよく表すもののひとつである。(p14)
残念なことには、病気のあいだはしばしば歯ブラシの代わりに巻綿子が使われる。巻綿子は必要なだけの摩擦を与えられず、またグリセリンは歯磨き剤として満足できるものではない。実際にところグリセリンは作用した組織から水分を引き出すので、口で呼吸している患者や脱水状態にある患者の場合は特に禁忌である。口唇の乾燥にはコールドクリームなどの軟化剤を塗るのが一番よい。このコールドクリームなどには味があってはならず、あるとしたら患者の好みにあったものでなければならない。(p55)
グリセリンは、吸湿性が強いので化粧品などの保湿剤として利用されているのですが、
これに関する記述の意味がちょっと分かりません。
ご存じの方、教えて下さい。
コールドクリームは、オールマイティーな基礎化粧クリームです。ウィキペディアによると、
古代ギリシャのお医者さんである、ガレノスがコールドクリームの製剤法の創始者である。
彼が植物油などの油性成分と水を混合し作った。
今なら、リップクリームでいいと思います。
施設によっては、ワセリンを使っている所もあります。
歯科医院でよく使われるココアバターは、匂いに好き好きがあります。