あなたは私の手になれますか

あるかたから、
「本田さんが、介護者のための歯磨き指導のセミナーで、いつも言っていることと
同じことを書いてる本があるよ。読んでみて」と一冊の本を紹介された。

『あなたは私の手になれますか 心地よいケアを受けるために』
中央法規 2003年 第13版 1500円

あなたは私の手になれますか

あなたは私の手になれますか

著者 小山内美智子さんのプロフィール

 1953年 北海道上川郡和寒町生まれ(脳性マヒ)
1977年 小山内、澤口 1月15日 札幌いちご会結成 現在会長
1979年 スウェーデン旅行
1981年 「足指でつづったスウェーデン日記」出版(朝日新聞社)
1985年 長男「大地」出産
1995年 「車椅子で夜明けのコーヒー」を出版(文芸春秋)
              障害者の性についてのビデオ「愛したい、愛されたい」(札幌いちご会)発売
1996年 宮城県の「夢大使」になる
1997年 宮城大学 客員講師
             「あなたは私の手になれますか」出版(中央法規) 
1997年 NHKスペシャル「あなたは私の手になれますか」小山内美智子のメッセージ
1998年 国際ソロプチニストボランティア奨励賞 受賞
2002年 北海道大学 医療短期大学部の非常勤講師となる
 2008年4月 悪性リンパ腫と判明
2008年5月~10月 治療のため入院していた(治療の結果悪性リンパ腫が99%消えた)

衝撃的な多くの本があるのだが、今日紹介するのは『あなたは私の手にならますか』の
P101~P105で、<朝の洗面>についてです。

全介助を受けて生活している小山さんは歯磨きについて次のように語っている。

朝の歯磨きによって、一日気持ちよく暮らせるか、なにやらすっきりしないまま暮らすかが決まる。
この歯磨きで、その人の個性が見えてくる。・・・・このケアは最高に難しい。

たばこを飲む人に歯を磨いてもらうと、ニコチンのにおいがして気分が悪くなる。

歯の磨き残しにところを自分で磨きたくても・・・、私たちは耐えるしかない。

歯磨きのうまい人に惚れてしまう。それだけ歯がケアのキーポイントなのだ。歯磨きがうまければ、その人は何をやってもうまいだろう。それは四十年間以上ケアを受け続けてきた私の意見なので、間違いない。

忙しい病院の看護婦さんに、歯を磨き続けてもらうとしたら、私は生きた心地はしないだろう。しかし、誰も見に来てくれない人は皆、我慢をして生きているのだ。

歯磨きはお尻を拭くより、頭を洗うより難しいことだということを、ケアする側は知っていてほしい。そして、いつも言うことだが、あきらめずにケアを受ける側が注文を言い続けることが大切である。

どんなに偉い先生方が書いた本より、ためになる本でした。まさに、患者のプロが書いた、<ケアの教科数>です。自宅訪問口腔ケアに関わっている皆さん、プロの患者さんの教育を受けてみませんか。

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