いつか紹介した、私のかかりつけ歯科技工士Kさんが年末に入院しました。
あわてて病院に駆けつけると、同級生の技工士さんがお見舞いに来ていました。
また、歯科衛生士さん二人も来ていました。
私を含めて、歯科衛生士3人は、Kさんの患者でもあります。
昔、Kさんを囲んで勉強会をして以来、
私たち勉強会のメンバーはKさんに歯を作って頂いているのです。
もちろん家族も!
お見舞いの帰りに、「きっと良くなるよねー!」
「なってもらわなくては困るよ。」
「私たちの歯は、誰が作るの・・・Kさん以外に考えられない」
そこで結成したのが、影でKさんを支える<チームK>。
・民間療法のリサーチ
・役に立ちそうな本を選ぶ。
(DHのYさんは、負担にならないよう予め読んで、ポイントに印をつけていた)
優しい配慮に感心しました。 ・呼吸法の指導
(ナイチンゲールが書き残しているように、新鮮な空気と胃が望む食事が大事です)
今日はお見舞いに、本を持っていこうと思います。
スープ教室を主宰する料理研究家、辰巳芳子さんの
『あなたのために・いのちを支えるスープ』(文化出版局)
装丁が美しい!
ベルリンのバウハウス美術館の許可をえたもので、
ルートヴィヒ・ヒルシュフェルトマック作。
著者がスープ作りに丹精をこめるにいたったのは、嚥下困難だった父に料理研究家の草分けであった母、浜子さんが飲み込みやすいよう工夫した滋養豊かなスープ作りが発端であったとか。
作り方は、初心者にもわかりやすい。
また、随筆家でもある辰巳さんのお人柄がにじみ出たような表現に感動します。
「表 面がほほえむ程度の煮え加減」
だし汁の出来具合を「絹の風合い」
「冷やしものは感性を磨くよい機会」
「10の火は1からはじまり、0がある。
0は余熱。余熱の計算が出来れば仕事は楽しい。
愛の世界にも余熱があるでしょ。「残心」なんて言葉を態度で 表せたらね」
人の生命のゆきつくところは
愛し愛され、一つになることを願い
それをあらわさずにはおられぬ仕組みを
生きるところにあると思います
人間の尊厳も自由も
互いに愛惜せねばならぬ根源も
ここに、見いだされてなりません
これが、スープの湯気の向うに見える実存的使命です。
序文「スープに託す」より