ウイズコロナにおける「マスク」と「鼻呼吸」
2020年ユーキャン新語・流行語大賞には「3密」が選ばれ、トップテンには「アベノマスク」「オンライン〇〇」「アマビエ」など、コロナに関連するものが多い年でした。
歯科医院や仕事の訪問先では皆さん検温し、できる限り3密(密閉空間・密集場所・密接場面)を避け、マスクの装着、手洗い、うがい、アルコール消毒、換気を行っています。厚生労働省は疫病を払うとされる妖怪「アマビエ」を描いた啓発用アイコンをホームページ上で公開しましたが、いまだにご利益はなく、2度目の緊急事態宣言が発令されました。
ウイルスは口や鼻などの粘膜から侵入しますから、仕事はもちろん、日常生活においてもマスクは欠かせないものとなりました。洋服に合わせたおしゃれなマスクや、ウイルスや細菌、PM2.5のカットが期待できる高性能なマスクなど、さまざまなものが販売されています。マスクの機能はフィルター効果だけではありません。湿気に弱いウイルスは、マスクが吸収した呼気中の水分でダメージを受けます。また冬場は加温効果もプラスされるのです。
ただし、このマスクの機能が発揮できるのは、正しくマスクをつけた場合に限ります。いかに高性能なマスクであっても、マスクと顔に隙間があれば効果は激減してしまいます。せっかく装着するのなら、「鼻」「ほほ」「あご」に隙間ができないように、しっかりとフィットさせ、効果を最大限に発揮させましょう。
ところで、2月~5月は花粉症の方にはとても辛い時期です。花粉症は日本人の四人に一人が罹患している国民病です。花粉を身体に入れないようにする仕組みとして、鼻水や涙で洗い流す、くしゃみで吹き飛ばすという反応が起きます。もし、くしゃみが出た時、マスクを着けていなければ、どうなるでしょうか?100万から200万の唾液の粒が、新幹線に匹敵する速さで2~3mも飛び散るそうです。マスク着用とともに「咳エチケット」も守りたいですね。
さて、マスクの下で皆さんの口はどのような状態になっていますか?
閉じていますか、それとも開いていますか?
いくらマスクでウイルスが防御できるといっても、完全ではありません。口を閉じて鼻呼吸をしていれば、鼻のフィルターが異物を除去してくれます。しかし、口にはそのような機能がありません。正しくマスク着けて、口を閉じ、「鼻呼吸」することを意識してください。鼻の通りが悪くて口呼吸になってしまう方は、ミントのマスクスプレーも効果的です。
口呼吸になってしまう原因に、舌や口のまわりの筋力の低下があります。特に舌の位置が下がっている人は注意が必要です。チェックしてみましょう。口を閉じてみてください。その時、舌の先はどこに当たっていますか?
①上あご
②上の前歯の裏の歯ぐき
③上の歯と下の歯の間
④下の前歯の裏の歯ぐき
①は鼻呼吸をしている人です。②③④の人は、口呼吸になっている可能性が大きいです。
では、口呼吸を鼻呼吸に変えることができる「あいうべ体操」をご紹介します。声は出しても出さなくてもいいですが、ゆっくりと大きな口を開けるのがコツです。
1日30回を目標に、お風呂の中、車の中、利用者の皆さんと一緒に健口体操としてなど、時間を見つけて習慣にしましょう。