ケアマネニュース5

口腔ケア用品を使いこなして、口腔粘膜の清掃マッサージを!

要介護状態の方への口腔ケアにおける清掃は、<歯>と<舌・粘膜>と<入れ歯>に大別できます。前回、歯磨きについて書きましたので、今日は<舌・粘膜>の清掃について紹介します。

舌や頬の内側の粘膜はデリケートですし、自分で舌以外の口腔粘膜を清掃しませんから、口腔ケアをするのが不安だという声をよく聞きます。確かに難しいのですが、口腔ケア用品を使いこなすことで、苦痛を与えず、口腔内の食渣、痰、舌苔などを清掃することができます。また、清掃することによって、マッサージ効果も得られます。ただし、歯垢の除去効果は期待できません。

現在、多くの口腔ケア用品が販売されていますので、主なものを紹介します。

【左から】
口腔ウエットティシュ
スポンジブラシ
超軟毛(US)歯ブラシ
舌ブラシ
舌ブラシ
舌ブラシ
モアブラシ
くるリーナブラシ
吸引付きくるリーナブラシ

口腔ケア用品の使用方法については、パンフレットやYouTubeなどのネット情報が参考になります。しかし、これだけを見ればよいというものはなかなかないので、訪問歯科衛生士にアドバイスしてもらうと安心です。

【各種スポンジブラシ】

スポンジブラシは、最も普及している口腔ケア用品です。基本的に使い捨てですが、繰り返し使っているのを、よく見かけます。不潔になりますし、スポンジ部分が劣化して誤飲事故にもつながりますから注意が必要です。

汚れをスポンジの溝でひっかけるように清掃します。溝が、横に入っている物、縦に入っている物で、動かし方が異なります。状況によってスポンジの固さも選びます。価格も様々ですが、毎回使い捨てるなら、くるリーナブラシのほうが経済的だったりします。要介護者さんの好みや口腔内状態、さらに介護者の使い勝手も考慮しながら、訪問歯科衛生士はグッズを選んでいます。

ところで、口腔ケア用品を使用するにあたって、どこにも書かれていないのが、[まずケアする方が使ってみてください]というアドバイスです。口腔はとても敏感ですから、ケアする方がその感覚を身をもって知っておくことは大切です。自分で口に入れても、不快なことはしませんから、誰かにグッズを使って清掃してもらってください。家族など、慣れていない人にしてもらうと勉強になります。

特に覚えておいてほしいのが、感覚には個人差があるということです。同じことをしても気持ちよく感じる人もいれば、不快この上ないと耐えている人もいます。常に表情や、手に伝わってくる相手の気持ちに注意を払ってください。そして「感覚過敏」のある方には、強引にケアせずに、歯科医院へ依頼して「系統的脱感作法」の指導を受けてください。

ここで、汚れがたまりやすいが、直視しづらい部位を、ゴム手袋をはいて自分の口で確認しましょう。まず、唇と歯茎及、頬と歯茎の間の《口腔前庭》と呼ばれる部位です。思ったより深いので、指を底まで入れて確認しましょう。上唇小帯は敏感ですから注意が必要です。

《硬口蓋》やさしく触るとくすぐったいのですが、しっかり触ると大丈夫です。

《舌下部》薬が残っていることがあります。舌小帯があるので、注意が必要です。

口腔内の状態が分かれば、使用したい口腔ケア用品で自分の口を掃除してみましょう。

実際に要介護者さんに口腔ケア用品を使ってみて、滑りが悪いなと感じたら、保湿剤を塗布して清掃するといいでしょう。使い終わったら流水下でしっかり洗い、ヘッドを上にして保管します。

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