講演の準備期間中、我が家に介護保険がやってきた。
86歳の母が3週間前に足を骨折し、さらに3日前に手を骨折。
それまで家事の一切をこなしていたのですが、
義歯が外せない、入浴できない・・・
義歯の調子も悪く、何軒も歯科巡りをしたにもかかわらず、
食が進まなくなっていました。
食べない、動かないが重なると、即便秘。
老いは徐々に進むのではなく、階段状に進む!
吉本隆明さんも、何かの本にそう書いていた記憶があるのですが、
本当にそうなんだ!!
訪問調査に対し、「なさけないんです」と、涙で訴える母です。
日々、要介護高齢者の皆さまに口腔ケアをしている私から見れば、
これくらいですんで、まあいいじゃないかと思うんで、
それを口にしたら、逆鱗に触れることになりました。
「人と比べてはいけない。」のに、家族の難しさですね。<苦笑>
もっと困っているのが、足腰と口の達者な、超難聴の認知症の91歳の父です。
病院に行ってくれないので、要介護申請できません。
高齢者の皆さんにとって、しっかり噛んで、美味しく食べることのできる口腔が、
いかに大切かを、両親を見ながらひしひしと感じています。
また母を怒らせそうだが、実体験の学びは講演に生かせる!!(笑)
おまけに、犬まで仲良く要介護状態。
腫瘍ができて手術をしたり、
目が見えず、耳も聞こえにくい。
昼夜逆転で、夜中に鳴く。
人間と全く一緒ですね。
「成長発達も難しいが、老いの階段を下りるのはもっと難しい。
そこにも、広げたテントをたたむような学びが必要だ。」
大学で受けた八木洋一先生の死生学の講義が思い起こされます。
この疲弊した状況を打破してくれるのが、
金曜の夜から、日曜の夜までやってくる、
天真爛漫な1歳と4歳の孫御一家。
大人ばかりの家族のよどんだ空気を、台風のように吹き飛ばしてくれます。