広島都市学園大学ニュース 2015年6月16日より
Excellent Paper Award 2014
論文のタイトル
「Relationships between the Occlusal Force and Physical/Cognitive Function of Elderly Females Living in the Community」
~地域在住高齢女性の咬合力と身体機能および認知機能との関連~
Aya Hirao, Shin Murata, Jun Murata, Atsuko Kudo, Mizuki Hachiya, Toyoko Asami
Journal of Physical Therapy Science 26: 1279-1282,2014
本研究は高齢者の咬合力と身体機能,認知機能の相関関係を調査し,さらに咬合力に影響を与える因子を検討した研究である。身体機能評価を9種類,認知機能評価を2種類行っており,筋力,柔軟性,バランス,歩行機能,認知機能と複合的な評価が行われている。結果として,咬合力と種々の身体機能,認知機能に相関関係があることが明らかにされている。さらに,重回帰分析の結果,30秒間の立ち上がり回数を評価するCS-30が咬合力を予測する因子として特定されている。100名以上の高齢女性を対象として多面的な評価が行われており,身体機能,認知機能と咬筋力の関連について一定の見解を得られていると思われる。また,本研究の結果より,高齢者に対するオーラルケアを含めた総合的なケアの必要性が示唆されており,今後の高齢社会に向けて意義のある研究であると言える。よって本論文を優秀論文に推薦する。