バンボを考える
杉本容さんのFacebookをシエァーさせて頂きました。
少し、思うところありまして、バンボを先に。
「エルゴ」「バンボ」「瞬足」の無条件使用は、子どもの発達に少なからずデメリットが多いことから、弊院での親御さんへの指導に関しては禁止レベルで案内しております。
こと前者2つは、動きが大きく伴わない赤ちゃんの場合ほど影響が大きく、親の都合としてはいいが、その後のカラダへの影響が大きいです。
両者に共通なのは「入れておくだけで、便利」になります。
確かに大人しくなる傾向が多い。
この「大人しい」場合は、その育児用品の特性にカラダを矯正してしまう危険性があります。
写真2枚目は、実際にバンボ多用の子どもの発達に関して、親御さんから相談を受けた際の矢状面画像。
運動器を診る医療関係者からみて、このカラダは正常でしょうか?
違いますよね。
ここまで後弯するのか?という状態かと思います。
実際に、走ることが出来るまでのカラダの発達としては、体幹を支える筋が途上にあります。
したがって、カラダを預ければ子どもは楽に感じますが、その姿勢が問題。
1枚目と2枚目で診れば分かるように、体幹制御は不十分ですので、この様な姿勢になる。
それが「大人しいからたすかる」としておくと・・・ハイハイが上手くなく、歩行発達が遅いことから相談されたケースです。
「エルゴ」「バンボ」を禁止し、その後親御さんが出来るケアを指導して3ヶ月が3枚目の写真。
明らかに、改善されております。
これは親御さんが気づき、しっかりケアしたからですね。
しかし、まだ完全では無いので、時間は掛かります。
赤ちゃんの場合は、人間が何万年もかかけて進化してきた過程を、15ヶ月前後で歩行までこなします。
ですので、物凄く気が抜けない。
確かに育児もしなくてはなりませんので、入れておくことに関しては致し方ないです。
しかし、デメリットもあると言うこと、を知って頂きたい。
そもそも、設計理念が「エルゴ」「バンボ」は、モンゴロイドにはサイズ的にも筋力的にも合わないと思います。コリという筋硬結の考えも違いますので。
特にモンゴロイドは神経に関する、センシティブが鋭敏で、末梢から中枢への神経伝達による発達が多い時期には合わないと・・・勝手に考えております(この点はエビデンスは無いですが)
育児は大変です。
何を採用するか?は親の自由です。
しかしその影響は子どもにも出ますので、どのようになったか?だけでもしっかり子どもを見ることは必要かと存じます。
ちなみに、ウチがつかっているのは、久保田カヨ子先生のところの「脳研工房」で推奨している椅子です。
体幹支えが出来ないうちは、梱包の箱を使い浴衣帯で結んであげます。
これは娘が5ヶ月頃ですが、最初は体幹を支える筋力が少ないので、長時間はせず、数分から始めます。
そこから独り座り出来るまでは、徐々にならします。
足は開排させず、膝・股関節も90°で、真っ直ぐカラダを支える訓練になります。
いくら小学生からカラダを作ろうとしても、いちばん発達に影響する時期に、カラダを歪ませれば、その後の中枢神経支配にも影響は出ます。
特に生後8~14ヶ月は「シナプスシェービング」という、シナプス減少が3歳までかけて行われ始めるので、この時期にしっかりとした、神経接続を促してやりたいのです。
この椅子と「バンボ」を比べると、バンボが健康的に見えてくるでしょうか?