病状の進行や予防に関連があるとされる糖尿病と歯周病を効果的に治療しようと、徳島県と県歯科医師会は、医師と歯科医それぞれが診療記録などを書き込む手帳「デンタルパスポート」=写真=を作った。1万部を県内の歯科医院や歯科医師会で無料で配っている。
手帳は患者が持ち、診療の際に提出する。左側のページに医師が血糖値や血圧のほか、体重を身長の2乗で割った体格指数(BMI)などを記録。右側のページには歯科医師が歯肉の出血や治療が必要な歯の有無、歯垢の磨き残し指数(PCR)などを書き込む。
糖尿病の患者は歯周病になる割合が高く、病状の進行も早い。一方、歯周病の治療を適切に行うと血糖値が改善し、合併症の悪化を防ぐとされている。
パスポートには2年間程度の診療記録を付けることができ、医師と歯科医師の双方が情報を共有して糖尿病、歯周病を治療する際の参考にしてもらう。
糖尿病の運動療法と食事療法のほか、「1日1万歩を歩く」「食事は1口で30回かむ」など、日常生活で取り組む事例も紹介。患者が自分で健康を管理できるよう工夫している。県健康増進課は「パスポートを活用して適切な治療、生活習慣の改善につなげてほしい」としている。 < 徳島新聞 WEB 2015/2/27 より>