毎年、歯科衛生士概論の授業で、倫理について考える、媒体として
学生さんと観ている映画を紹介します。
(穴吹医療カレッジの学生さんは、倫理を横井先生が担当することになりました)
以前(2013年6月23日)も紹介したと思います。
授業を含め、その前後にも見るので、30回くらい観たことになります。
そのたびに感動するのですが、今年も新たな発見がありました。
患者さんの気持ちは、経験しないと分からない。だからと言って、患者になることはできないが、患者さんのメッセージを捉え損ねない努力は大切ですね。また、「私は人の心がよくわかるやさしい医療従事者」だと思っている方の方が
危険かも?!
人の気持ちはそう簡単に分からないものだという前提を忘れると、危ないですね。
私も、ずいぶん痛い目に会いました。
ウィキペディアによると
『ドクター』(英: The Doctor)は、1991年にアメリカで製作された映画作品である。原作はエドワード・E・ローゼンバウムの自伝。
主人公のマッキーは成功した外科医であったがガンを宣告され、自らが患者の立場になることで、今まで医療者の立場から見てきた医療現場に対し様々な疑問を感じるようになった。
妻と恋人との間で揺れ動く心の葛藤を交え、医療とは何かという主題に対し新たな視点を導入した意欲作である。
- ^ “The Doctor (1991)”. Box Office Mojo. Internet Movie Database. 2011年8月31日閲覧。
- Rosenbaum L. “The art of doing nothing.” N Engl J Med. 2011 Sep 1;365(9):782-5. PMID 21879895 原作者の実娘が医学生時代に骨折し、父と同じ体験(医者から患者へ)を綴った手記。表題は禅の「無為の境地」を意味す
ところで、マッキーは末期のガン患者ジューンと知り合う。彼女は高価な検査を受けられず、病気を知った時には手遅れだった。ある日、ジャックは 衝動的にジューンを彼女の夢だったインディアン・ダンス・ショーに誘う。会場へ向かうため車で砂漠を横断中の場面でジューンは「今の時間を大切にしたい 」と告げる。
「私には時間がない。今、この一瞬一瞬を充実して生きたい」と言うことでしょう。
これは、私が訪問口腔ケアで関わる要高齢者の患者さんの思いでもあると思います。
「未来の何かのために、今を犠牲にしたくない。」
私だったらそう感じるだろうと思うのです。
ですから、口腔リハビリであっても、リハビリ自体が楽しくないとだめなのです。
だからと言って、単に、面白おかしくリハビリをするというのではありません。
では・・・・・どうする・・・・?
これから、しっかり考えていきたいと思いますが、
一つ言えることは、関わる私が<今を生きる>とことでしょう。
これも難しいことですが、ウィキペディアにある、禅の「無為の境地」のような
在り方と言い換えてもいいと思います。
ナイチンゲール看護を支える、看護を担う人の在り方だと、私は理解しています。
<興味のある方は、hocl のトップページのナイチンゲールに関する論文を
ダウンロードして下さい。ちょっと長いですが>
余命を宣告されなくとも、高齢者でなくとも、若い学生さんにとっても、
勿論私にとっても大切なことだと思います。
子どもの頃は皆、<今を生きる>だったはずなのに・・・
昨年は「今でしょ!」ってよく耳にしました。
「<生きることが今>でしょ!」て気がします。