§第二十二段
やれやれ、やっと夏休みが終わった。と、私同様、胸をなで下ろしている方もたくさんいらっしゃることでしょう。
何が困るって、子どもが一日中ゴロゴロ家にいることと、夏休みの自由研究という宿題があること、ですよね。子どもの宿題なんだから子どもに任せればいい と言えばそれまでですが、そうもいきません。「自由研究だから、やらぬのも自由、と言うくらいの度量が欲しいものようのう。」と我が家では毎年ぼやいてお りましたが、何も困っているのは我が家だけじゃなかろうと思い、一昨年からまだ自由研究のめどがたっていない子ども会仲間を集めて特別講座「自由研究を一 日でやっつけちゃおう」を開講しています。
スポーツドリンクに十円玉を漬け、酸度とCoの関係を理解する実験。CAT21パフ(唾液の分泌量テストと唾液の緩衡能テスト)、これは親に好評でし た。たまごにフッ素ゲルを塗布して酸に浸ける実験では、子どもたちが大喜び。子どもの理科嫌いがうそのよう。糖度計を使って清涼飲料水の砂糖含有量を調べ る実験では、予想をかけ離れた数字に親も子もびっくり。一番人気があったのは、位相差顕微鏡によるプラーク観察でした。
歯科医院の探検にも行きました。珍しい器材や薬剤を見学したり、抜去歯牙を形成しレジンを充填する様子を見る顔は生き生きと輝いていました。
今年はお盆明けに『1日でできる口腔衛生の自由研究』を実施しました。参考にしたのは、「のんちゃんの口の中の探検(上・下)」(岡崎好秀・大修館書店)です。子どもたちは実験結果を家に持ち帰り、各自でまとめました。
皆さんの診療書でも、『自由研究を1日でやっちゃおう』を実施してはいかがですか。大好評間違いなし。医院の休診日を利用したり、子ども会や児童館活 動・公民館活動に出向くのもいいでしょう。楽しく歯科について勉強した子どもたちは予防の大切さを理解しリコール率が上がるでしょうし、保護者には歯科医 院の敷居が今まで以上に低くなります。うれしい企画ですよね。
また、もう一つの楽しみは、歯科衛生士が学校ごっごの先生になりきれること。一度やったら病みつきです。