Mさんの部屋に行くと、横になって寝ています。
「Mさん本田です。口腔ケアに来ました。」
「もうしんどいから、いいわよ。何もしないで。」
「しんどいですか、わかりました。
Mさんは何もしないでそのままでいらして下さいね。
さーっと急いで歯磨きして帰りますからね。」
「もー、何なさるの」
「歯磨きですよ、1分間だけですよ。」
寝ているMさんの口に、永山USの歯ブラシを滑り込ませ。
チョコチョコチョコ はい終了。
「Mさん、うがいなさいます。」
「あたりまえでしょう、気持ち悪いじゃない。」
気持ち悪いという言葉が出てきて、なんだかととも安心しました。
この感覚が、ちゃーんとあるではありませんか!
「ちょっと待ててね。お水汲んでくるから」
ぬるま湯を持ってくると
「もー、汚いの、飲み込んじゃったじゃない。」
「うがいするなら起きて下さいね。」
「さっぱりしたでしょう。」
「そりゃまー少しは。」
「少しですか?それはすみません。きちんとやりなおします。
行き届かないでごめんなさいね。」
再び歯磨きをすると、なんと、協力的。
うがいをして頂き。
前回と同様に、蒸しタオルで顔を拭きました。
ついでに髪も拭かせて頂きました。
ここで、本日の挑戦は、足浴!
施設の方にバケツをかりて、準備をしました。
ファッションしまむらで、
Mさんに似合いそうなソックスを買ってきておりましたので
「足を洗って、このソックスをはきましょうよ。
いかが、お気に召しました?
2作組みを買ったから、1足おすそ分け。
私とペアだけどいいかしら・・・」
「名前を書いておいてくれないと、なくなるのよ」
この、遠慮のない、<当然頂くわ>という感じに、
私としては大変好感が持てるのです。
それでこそ、Mさん。
「了解」事務所でマジックをかりて、名前を書き部屋に戻りました。
Mさんは、ベッドで端座位の状態になったまま待っていてくれました。
すったもんだ―言いながら、
ソックスを脱がすと、パラパラかき集められるほどの皮?垢?
足の指は外反母趾で、纏足のようでした。
爪は水虫で真っ白で、おまけに巻爪。
さらに、すったもんだ―言いながら、足浴成功!
タオルで足を拭き、マッサージクリームで、リンパマッサージをしました。
Mさんの足は、とっても活き活きしてきました。
「気持ちいいでしょ」
「別に」
「でも、足は気持ちいいって言っていますよ。」
「あらそ―、よかったわね」
まるで、他人事の用ですが、にこにこしています。<ホッ>
何故か私は、このようなひねくれ者が好きです。
きっと、私もそうなんでしょうね。