残念な話を耳にしました。
歯学部を卒業して、歯科医師国家試験に合格しなかった人に
歯科衛生士の国家試験を受ける資格を与えるという提案がなされたらしい。
3人の歯科衛生士学校の教員から聞いた話ですから、嘘じゃないと思います。
皆さん別の学校の先生方ですから。
さらに悲しかったのは、その話をしたのが、日本歯科衛生士会の会長さんと言う点です。
ところで、以下の文章は10年前に『歯科衛生士』に連載していたコラムです。
<歯科衛生士の徒然草 §第十一段>
先日、岡山で日本摂食嚥下リハビリテーション学会が開催された。興味ある分野なので参加してみると、医師、歯科医師、看護士、歯科衛生士、言語聴覚士、 作業療法士、栄養士など、いろいろな職種が参加していた。
その学会2日目の夜のこと。
夕 食を終え、ホテルへ戻る途中で偶然に面識のある歯科医師とお会い し、酒を片手に話し込むことになった。”大先生”なので最初は緊張していたものの、アルコールが入るとお互いリラックスモードとなり、すっかり意気投合し た。気になる症例の話、歯科医師会や歯科衛生士会のあり方について、ついには21世紀の日本の将来展望まで議論し、「やはり歯科医師も歯科衛生士も人間性 が大事。哲学だよね」という結論に達した。
ここまでならば”21世紀の歯科医療を考える夜の会”は、楽しく、有意義にお開きとなっただろ うが、そうはいか なかった。大先生は最後に「君もそんなに熱心に勉強するのなら、歯科衛生士なんてやめて歯科医師になれば?」と発言したのである。その一言で私のほろ酔い 気分は一瞬にして消え去った。歯科衛生士のことを認めていれば、このような言葉は決して出てこない。この大先生も私の言葉をまともに受け止めてはいないの だ。そう思うと無性に腹が立った。そして、歯科医師にすら認められない歯科衛生士という職業は、他職種にはどのように映っているのかを考え、淋しくなっ た。
多くの専門職種が集まった今回の学会では、館村卓先生の「嚥下リハビリテーションのためには、父権主義を廃したチームアプローチが必 要である」とい う言 葉をはじめとして、誰もがチーム医療は必要不可欠と感じていることが伝わってきた。また、質疑応答で「嚥下リハビリテーションにおいて歯科衛生士の存在は 不可欠なのに、コンタクト方法がわからない」という医師からの率直な意見も聞かされ、職種のあり方を考えさせられた。
さて、医師は看護士に対して「君も医者になれば?」などとは決して言わない。それは、その専門性を認めているからだ。歯科衛生士も歯科医師や他職種に専門性を認められるには、口腔ケア分野においても更なる努力が必要だと感じる。
私は歯科医師になる能力は持ち合わせていないが、例えその能力があったとしても、
歯科衛生士であり続けたいと思う。
歯学部を卒業したら、歯科衛生士の仕事ができるのでしょうか・・・・
断じてそんなことはありません!
しかし、歯学部卒業後、歯科衛生士学校に編入して卒業し、
そして、国家試験を受験して歯科衛生士になると言うなら、大歓迎です!