お酒が飲みたい、摂食嚥下障害の患者のBさん(1)

特別養護老人ホームは、生活の場ですから利用者さんのニーズは様々。
私が口腔ケアのお手伝いをしている某施設では
こんな希望があったそうです。

事情あって、長年住んでいた家を出なくてはならなくなった方(Bさん)が、
最後にその家を見たいとおっしゃったそうです。
Bさんは、脳梗塞の後遺症で、しゃべれない、ほとんど動けないのです。
住んでいたのは、エレベーターのない4階の部屋だったそうです。
なんと、1月の寒空の下、4人の職員さんが付き添ってお連れしたそうです。

ちょっと考えられません。
行くことを決定した主任さんに「よう、行きましたね」というと、
「だって、行きたいと言うているんですから・・・・」
それでも、行かない正当な理由はいくらでもあるではありませんか・・・
「大変でしたね」というと
「私は付いて行っただけですから。
でも、背負って4階まで上がった職員さんは大変でした。
Bさんが喜んでましたから、いいんじゃないでしょうか。」

こんな主任さんが、次にBさんのために立てたケアプランは
お酒を飲ませてあげること・・・・
えっ!って思いましたが、この施設の皆さんのやさしい介護に背中をおされて
手伝うことにしました。

主任さんは、善きサマリア人のようです。

四学の空

主任さんのような人に出会うと、こころが晴れ晴れとしますね。

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