昨日は、橋本碧さんの葬儀が善通寺の教会でとり行われました。
突然の死で、悲しいというより力が抜けるような気分です。
今日の朝のNHK-FM放送から流れてきたのは、碧さんの死を悼むようなレクイエム。
碧さんは、毒書会のメンバーであり、『風跡』の同人です。
推薦して頂いて読んだ、志村ふくみ著『語りかける花』は、
大変味わい深い本でした。
毒書会の後、カクテルを飲みながらとりとめもないお話をすることがありました。
80歳過ぎても少女のような女性で、いつも胸いっぱいの夢を語ってくれます。
詩人である碧さんは、詩集も出版されています。
しかし、『風跡』の詩は抽象絵画のようで、詩的センスのない私には難解なものでした。
碧さんは手編みが得意で、冬はいつもご自分の作品を着て会にいらしていました。
穏やかでゆっくりした、そして丁寧な語り口は、育ちの良さを感じさせられていました。
もう、あの声は聞けない・・・
来年の『風跡』に載せる予定にしていたであろう歌が、
葬儀のとき八木先生からのお別れのことばで紹介されました。
灰のあと 白さぎになれずともよし 空(くう)の空(くう)よし。
彼岸花 手向けし墓石(はか)と 笑みかわす。
その他にも、3篇の歌があります。
病む足に りぼん巻き付けて花瓶(かめ)にさす 虚無にささげて心安らぐ。
鳩啼かず 雀こず鴉こず雨降らず 庭の木犀に 夕闇(やみ)しのびよる。
眠れぬ夜 アインシュタインと 紅茶飲む。
この歌からは、碧さんのこころの肌理が私にも伝わってくる気がします。
今一度、この歌で語りたい・・・
碧さん、ありがとう。
悲しいことの多い1年でしたが、それでも、今年も終わります。