天然のゼリー・熟柿を召しませ

摂食嚥下のための口腔ケアを続けている(A)さん、とってもグルメでいらっしゃる。
と言っても、ブランド好みとか、お高い物か好きと言うのではないのです。
(A)さんが、美味しいと感じるものでなければ、食が進みません。
これって、当たり前ですが・・・なかなか難しい。

私たちは知らず知らずのうちに、患者さんの嫌いなものを口に入れて、
食べなかったら、摂食嚥下障害のレッテルを張ったりしちゃいますから
気をつけています。

それは、単に味だけの問題ではないから、食って難しいのです。
私の子どもの頃の体験ですが・・・
私は病弱で大変神経質な子どもだったのです。
(信じられないかもしれませんが、ひときは小さく細かった。
そして、遠足などを楽しみにしていると、必ず当日熱が出ていました。)
母親がまた、清潔不潔に異常に気を使う人でした。
すると私は、母が作ったものしか食べられなくなってしまいました。
ある日、幼稚園から家に帰ると、きつね寿司がテーブルの上においていました。
おやつだと思ってかぶりつき、裏側を見たら・・・<ママが作ったのではない!>
と思った瞬間、吐き出してしまいました。飲み込めないのです。
(今は大丈夫。誰が作っても美味しいものは美味しい!!)

こんな私ですから、よそのお家で手作りおやつは食べられませんでした。
大丈夫だったのが、果物です。
これは神さまが作ったと子ども心に思っていました。

私は好き嫌いはないのですが、味の嫌いなものは食べられない。
当時、ハウス食品だったと思いますが<フル―千ェ>と<シャ―ビック>と<ゼリー>が
発売されました。全部大嫌いでした。
ハウスゼリーは嫌いでしたが、ゼラチンで作ってくれたゼリーは好きでした。
それから、熟した柿をスプーンでくり抜きながら食べるのは大好きでした。
早くゼリーになれと、テーブルの上の柿を眺めていました。
(今は甘くなくても硬い柿が好きになっています。)

そんなことを思い出していたら、(A)さんに柿ゼリーを食べて頂きたくなり
柿を買って、冷蔵庫に入れて熟すのを待ちました。

「今日は柿を食べましょう」とお持ちしたら、びっくりしたようです。
思った通り、(A)さんはとても気に入ってくれました。
お腹をこわしてはいけませんので、途中でストップをかけたほどでした。

それそろ、噛む訓練をしたいのですが、何がいいか思案中。
先日、するめはあっさり拒否されましたから・・・

柿の置物

柿の置物(朱肉が入っています)

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